2013年6月1日土曜日

[どうぶつしょうぎ] 相腰掛ゾウ定跡9手目からの変化 -その2



図1は 相腰掛ぞう基本定跡 の9手目。
先後手最善を尽くした場合、あと67手で後手が勝つ局面。


前回 は▲A3ヒヨコ打、△B1ライオン、▲C3キリン上(36手後手勝ち)の変化を調べてみたので、 今回はもう一つの有力な変化になる▲A3ヒヨコ打、△B1ライオン、▲C3キリン寄(54手後手勝ち)を調べてみよう。
△B1ライオンの次の手順としては、この▲C3キリン寄が最善手になる。
この手順の棋譜は こちら
図1 △C2ゾウ打 まで

▲C3キリン寄の変化


▲A3ヒヨコ打、△B1ライオン、
▲C3キリン寄、△C1ライオン


▲A3ヒヨコ打 とライオンを下げさせてから B3のキリンが寄る変化。

後手は△C1ライオンとライオンを寄る。△C3ゾウと端のキリンをとっても勝ち局面は変わらないが、 そのあと最善を尽くしても100手以上ともつれてしまう(→ 棋譜 )。


図2 △C1ライオン まで



中央でキリン/ゾウ交換


▲B3キリン、△同ゾウ、▲同ライオン、△B1ライオン
▲A2ゾウ、△C1ライオン


C3に寄せたキリンをB3に戻し、キリン/ゾウ交換になる。 先手は ▲B3キリン 以外にもいろいろと手がある局面。

最有力は▲C2キリン とゾウを取る一手。△同ライオン、▲B3ゾウ打 と続きこれも一局。 (→ 棋譜 )。

▲B3キリン に替えて▲A4ライオンも有力だが、△C3ゾウ、▲同キリン、△同ライオン となってC3の先手キリンが浮いているので ▲C2キリン と行かざるをえず先手やや不調 (→ 棋譜 )。

▲B3キリン に替えて ▲A2ヒヨコは△B1ゾウでヒヨコが狙われる展開になり先手良くない。

▲A2ゾウと後手ライオンを追うのは自然な一手。▲C2ゾウと右から追うとゾウにヒヨコのヒモが付いていないのでこの後先手ライオンが下がれず苦労する。
図3 △C1ライオン まで


手番渡しから△C2ヒヨコ打


▲B4ライオン、△C2ライオン、▲B3ゾウ、△B1ライオン
▲A2ゾウ、△C1ライオン、▲A4ライオン、△C3ひよこ打


先手は▲B4ライオン としてゾウの退路を確保。 微妙な指し手争いの後 ▲A4ライオン を見て後手 △C3ヒヨコ打。

▲B4ライオン とした局面と △C1ライオン とした局面を比べてみると、盤面上は同じで手番だけが変わっている。 後手はあえて手損をして先手に手番を渡している。

先手は ▲A4ライオン より ▲B3ゾウ の方がよさそうに見えるが、△C2ヒヨコ打、▲A2ゾウ、△C3キリン打 の強襲があるので、 ▲A4ライオン が最善になる。
△C2ヒヨコ打のタイミングは、必ず ▲B3ゾウの後。 先手ゾウがA2にいるときに、△C2ヒヨコ打は▲B3ライオンで後手が悪くなる。
図4 △C3ヒヨコ打 まで


再度の手番渡しで △B2キリン打


▲B4キリン、△C2ライオン、▲B3ゾウ、△B1ライオン
▲A2ゾウ、△C1ライオン、▲B3ゾウ、△A1ゾウ
▲A2ゾウ、△B2キリン打


先手が▲B4キリンとキリン取りを避けたところで後手の再度の手番渡し。
(2回目に)▲B3ゾウと下がったところで△A1ゾウ。狙いは△B2キリン打からのA2地点でのキリン/ゾウ+ヒヨコの2枚替え。

手番渡しの手順を入れず ▲B4キリン に続けて △A1ゾウ とすると ▲B3ライオン を許して逆にC3の後手ヒヨコを狙われ、 千日手で引き分けの局面になる。
図5 △B2キリン打 まで


2枚替え達成で後手優勢


▲B3ゾウ、△B1ライオン、▲A2ゾウ、△同キリン、
▲同ヒヨコ、△同ライオン、▲B3キリン、△C4ヒヨコ成


後手は目標通り2枚替えを達成し、C4にヒヨコも作ってはっきり優勢。

先手は、▲B3キリン に替えて▲B3キリン打、▲A3キリン打もあるところだが、 ▲B3キリン打は△B2ゾウ打、▲A3キリン打は△B1ライオン、▲B3キリン右、△B2ゾウ打 で先手よくはならない。

以下は 棋譜 を参照。
図6 △C4ヒヨコ まで


2 件のコメント:

  1. 「最有力は▲C2キリン とゾウを取る一手。△同ライオン、▲B3ゾウ打 と続きこれも一局」の直後の棋譜がC3ゾウで100手以上ともつれた棋譜になってます

    返信削除
  2. ▲A4ライオンの棋譜になってしまっていましたね。訂正しました。

    返信削除